東京23区内ではワンルームマンションの建築規制があるのはご存じでしょうか?
数あるマンションと呼ばれる建物の中でワンルームタイプと呼ばれるマンションを自由に建てる事が東京23区はできません。
今回はこのワンルームマンションの規制について詳しく解説していきます。
東京23区のワンルームマンションの建築規制について
エリア | 最低面積 | 対象 | ファミリータイプの住戸の設置条件 |
中央区 | 25㎡ | 住戸数10以上 | 40㎡以上の床面積の合計が全住戸の1/3以上
出典元:中央区役所ホームページ |
千代田区 | 25㎡ | 階数4以上 専用面積30㎡以下の住戸が10以上 |
総戸数が20戸以上の場合は、40㎡以上の住戸面積の合計が全住戸の1/3以上
出典元:千代田区役所ホームページ |
渋谷区 | 28㎡ | 階数3以上で33㎡未満の住戸が15以上かつ総戸数の1/3以上 | 商業地域は、(総戸数-15)×1/3以上を50㎡以上の住戸にする その他の地域は、(総戸数-15)×1/2以上を50㎡以上の住戸にする 出典元:渋谷区役所ホームページ |
港区 | 25㎡ 商業地域は総戸数の1/2未満を20㎡にできる |
37㎡未満の住戸が7以上の集合住宅 ただし、50㎡以上の住戸が総戸数の3/4以上ある場合は除く | 総戸数が30戸以上の場合 商業地域は(総戸数-29)×1/10+1戸以上を50㎡以上 その他の地域は(総戸数-29)×2/10+1戸以上を50㎡以上 出典元:港区役所ホームページ |
新宿区 | 25㎡ | 階数3以上で30㎡未満の住戸数10以上 | 30㎡未満の住戸が30戸以上の場合 1種低層内(30㎡未満の住戸数-29)×1/2以上の戸数を40㎡以上にする その他の地域(30㎡未満の住戸数-29)×1/3以上の戸数を40㎡以上にする 出典元:新宿区役所ホームページ |
台東区 | 25㎡ | 住戸数10以上 | 総住戸数が15戸~49戸で高さが40m以下の場合 40㎡以上の住戸が総戸数の1/3以上 総住戸数が50戸~99戸で高さが40m超~50m以下の場合 出典元:台東区役所ホームページ |
豊島区 | 25㎡ | 階数3以上で住戸数15以上 | なし
出典元:豊島区役所ホームページ |
文京区 | 25㎡ | 40㎡未満の住戸数10以上 | 総戸数が15戸超の場合 (総戸数-15 )×1/2以上の戸数を40㎡以上にする 出典元:文京区役所ホームページ |
目黒区 | 25㎡ | 階数3以上で40㎡未満の住戸数10以上 住戸数20以上かつ延べ面積1,500㎡以上 階数5以上で高さ15m以上1,500㎡以上 敷地面積1,000㎡以上 |
40㎡未満の住戸が30戸を超える場合 (40㎡未満の住戸-29戸)×1/2以上を40㎡以上かつ平均が55㎡以上となる住戸にする 出典元:目黒区役所ホームページ |
品川区 | 20㎡ 1種低層地域は25㎡ |
階数3以上で30㎡未満の住戸が15戸以上かつ総戸数の1/3以上 | 30㎡未満の住戸が15戸~19戸の場合 1戸以上の住戸を40㎡以上にする 30㎡未満の住戸が20~29戸の場合 出典元:品川区役所ホームページ |
中野区 | 25㎡ | 階数3以上で住戸数12以上 | (総戸数-11)×1/2以上の戸数を40㎡以上にする
出典元:中野区役所ホームページ |
北区 | 25㎡ | 階数3以上で住戸数15以上 | 40㎡未満の住戸が30戸以上の場合 (総戸数-30戸)×1/2以上を55㎡以上の住戸にする 出典元:北区役所ホームページ |
世田谷区 | 25㎡ | 住戸数20以上で専用面積40㎡以上 延べ面積1500㎡以上 住居系/準工業地域内は階数3以上で40㎡未満の住戸が12以上 商業系地域は階数3以上で40㎡未満の住戸が15以上 |
40㎡未満で延べ床面積1,500㎡以上の住戸数30戸超の場合 (40㎡未満住戸数-30)×1/2以上 出典元:世田谷区役所ホームページ |
荒川区 | 25㎡ | 住戸数15以上 | 住戸数が15戸~29戸の場合 総戸数の1/3以上を50㎡以上にする 住戸数が30戸以上の場合 出典元:荒川区役所ホームページ |
杉並区 | 25㎡ 住戸数が10未満の場合は20㎡ |
階数3以上で住戸数20以上 階数3以上で40㎡未満の住戸数6以上 |
40㎡未満の住戸数が20戸超の場合 20戸を超える部分×1/2以上の住戸を40㎡以上にする 出典元:杉並区役所ホームページ |
大田区 | 25㎡ | 住戸数15以上 | 30戸以上の場合は、40㎡超の住戸数の数を 1種低層/2種低層 →1+(住戸数-30)×1/2 1種中高層~準住居 →1+(住戸数-30)×1/3 準工業/工業 →1+(住戸数-30)×1/5 近商/商業 →1+(住戸数-30)×1/10 など 出典元:大田区役所ホームページ |
墨田区 | 25㎡ | 住戸数15以上 または階数3以上で住戸数10以上 |
住戸数25戸~99戸の場合 40㎡以上の住戸が住戸数の30%以上 出典元:墨田区役所ホームページ |
江東区 | 25㎡ | 階数3以上で住戸数15以上かつ過半数以上が40㎡未満 | 40㎡以上の住戸を151戸以上含む場合 90㎡以上の住戸を世帯用住戸数の1/10以上設置 25㎡以上40㎡未満の住戸を世帯用住戸数の1/5以上設置 出典元:江東区役所ホームページ |
板橋区 | 25㎡ | 階数3以上で35㎡未満の住戸が15戸以上で総戸数の1/3以上 | 35㎡未満の住戸が30戸以上の場合、以下のいずれかを選択 ・(35㎡未満住戸-29)×1/3以上を55㎡以上の住戸にする ・(35㎡未満住戸-29)×1/2以上をバリアフリー住戸にする 出典元:板橋区役所ホームページ |
練馬区 | 25㎡ | 40㎡未満の住戸数15以上 | 40㎡未満の住戸が30戸以上の場合 一律10戸以上を55㎡以上の住戸にする 10戸に加え、(総戸数-40)×1/2以上を55㎡以上の住戸にする 出典元:練馬区役所ホームページ |
江戸川区 | 30㎡ | 階数3以上で住戸数10以上 | なし
出典元:江戸川区役所ホームページ |
足立区 | 25㎡ | 階数3以上で住戸数15以上 | 40㎡未満の住戸が30戸以上の場合 (40㎡未満の住戸-29)以上の住戸数を75㎡以上にする 出典元:足立区役所ホームページ |
葛飾区 | 25㎡ | 階数3以上で住戸数15以上 | 住戸数が15戸~29戸の場合 (住戸数-15)×1/2を55㎡以上の住戸にする 住戸数が30戸以上の場合 (住戸数-15)×1/2以上を55㎡以上の住戸にする かつ1/5以上を75㎡以上の住戸にする 出典元:葛飾区役所ホームページ |
このように東京23区は全域でワンルームマンションの建築規制を行っています。
建築規制の背景
これは自治体が独自に行っている規制になります。
背景としては東京都内は日本国内で唯一と言っていいほどの人口増加都市になります。
東京都の発表によると東京都の人口総数は2024年10月1日時点で14,192,184人と前年同月比で92,191人の増加となっています。
23区内に引っ越してくる人の多くは学生などの単身者で住民票を移動しないケースが多いため、本来見込めるはずの住民税などの税収が減ってしまうのと、地域活性(地域のイベントなどに参加しない)、騒音・トラブルなどの問題も多いことから単身者向けのマンションの建築に規制をかけています。
建築規制による影響
このワンルームマンションの建築規制によりどのような影響があるのでしょうか?
入居率
ワンルームマンションの建築規制により23区内の新築ワンルームマンションの数は激減しています。そのため規制をクリアして建てられたワンルームマンションには人気が集中するため高い入居率を維持することが可能となっています。
家賃
23区内のワンルームタイプの家賃は高騰しています。なぜなら建築規制により新築マンションの数が増えていないので供給が追い付いていないからなのです。新築マンションに10人の入居希望者に対して1~2人しか入居ができないような状況です。つまり家賃が多少高くても住みたいという人は多く、家賃を上げやすいのが23区内の特徴です。
資産性
東京23区内のマンション、特にワンルームタイプの部屋は投資対象としても根強い人気があります。これだけ家賃も上げやすく高い入居率が維持しやすい場所の物件は投資家の方からも人気で売却するとなった時に適正価格で販売すればすぐに買い手が決まってしまう状況です。
まとめ
- 東京23区内は全域でワンルームマンションの建築規制が入っている
- この規制は自治体が独自に行っている
- 規制により23区内のワンルームマンションの希少性が上がる結果となっている