2024年の年末頃から発売される新築マンション価格が1割増しになると言われています。
私が調べた限りこの噂は、ほぼ間違いのない事実ではないでしょうか。
実際のところ既にマンション価格は上昇しており、その上昇幅がさらに上がっていく見込みです。
2024年10月の今。
もし新築マンションの購入を検討されているのであれば、早い段階で購入を決断された方が良いかもしれません。来年から売り出される新築マンションは同じスペックであっても割高になる可能性が高いからです。
とは言ってもマンションの購入を検討している方を急かしたいわけではありません。
事実として今新築マンションの価格がどのように推移しているのか、知っていただく必要はあると考えているだけです。ぜひ今後の判断に繋げていただくためにも本記事を参考にしてください。
なぜ新築マンション価格が1割増しになると言われているのか?
このテーマに沿ってその要因を解説していきます。
2024年の年末ごろから発売される新築マンション価格が1割増しになると言われている
新築マンション価格が年々上昇しているという話題は日ごろ様々な所から流れてきます。2024年の11月ごろに発売開始される新築マンションの価格は2024年9月現在の価格より1割ましになるとも言われています。そしてこの価格になる可能性は非常に高いのです。
そしてそれは首都圏に限らず全国的になのです。
今回の不動産の値上がりはバブル期のような値上がり方ではなく新築マンションの建築原価の高騰に原因があります。
つまり新しく建てられるマンションの建築費そのものの価格が上昇しているので場所を選ばず販売価格が上がっているのです。
割増しになる原因は建築費用の高騰にある
では建築費の中で具体的に何が高騰しているのでしょうか?
高騰している建築費
- 建築資材
- 人件費
- 輸送コスト
高騰している建築費としては主に上記の3つがあります。
ガソリンなどの燃料費や働き方改革による人件費の高騰は他でも同じことが言えますが特に顕著に高騰しているのが建築資材です。
建築資材がどれくらい高騰しているのか見てみましょう。
出典:建設物価調査会より
上記表は建築資材の価格の推移です。
これはマンションに限らず各ハウスメーカーなどへの打撃はかなりのものになります。
不動産、主にマンションについては企画から販売まで約2年ほどかかります。
つまり今販売されている新築マンションは2年前に企画され最近ようやく完成し販売が開始されたものなのです。
2022年1月から企画されたものは建築資材の高騰の直前で、それ以降に企画されたマンションは建築資材の高騰により値上がりは必須なのです。
建築費が高騰している背景(理由)
今建築費用は世界的に高騰しています。
要因としては様々ありますが日本に関しては以下のような理由が考えられます。
日本は輸入大国ですので基本的に物価は国外の物価に左右されやすくなります。2024年現在は円安ですので輸入品である建築資材は高騰しています。
更にガソリンなどの輸送コストも戦争の影響もあり上昇、人件費も働き方改革などにより上昇しています。
- 人件費の上昇率について
出典:日本建設連合会より
2024年8月時点、2023年3月から適用になっている公共工事設計労務単価は2021年1月(2020年3月から適用の単価)と比べて、全国全職種単純平均で16%上昇しています。
- 建築資材の価格の上昇について
出典:日本建設連合会より
世界的な原材料及び原油等エネルギーの品不足や価格高騰・円安の影響を受けて建設工事の資材価格も高騰しています。
パーツによっては8割以上値上がりをしているものもあり、新築マンションの販売価格にまで影響が出るのは必然と言えます。
建設資材の平均価格で見ても2021年1月と比較して、全体で32%も上がっているのです。
全体的な物価上昇、インフレで価格は更に跳ね上がっています。
こういった建築資材や輸送コスト、人件費などの全体的な価格の上昇により従来の販売価格では不動産販売会社が赤字になってしまいます。
帝国データバンクによると、その影響から2023年度の建設業社の倒産件数は1671件と前年比+38.8%と急増しています。
この数値は2018年のリーマンショックを超えており30%を超えたのは2000年以降初の出来事です。
最近では2024年9月10日に東京都葛飾区の戸建て住宅販売会社『(株)ガクエン住宅』が東京地裁より破産手続き開始決定を受けています。
この会社の倒産理由も建築原材料費の高騰が理由の一つでした。
このように建築材料費の高騰は各不動産販売会社へ大きな打撃を与えているのです。
つまり、不動産販売会社は物件価格の値上げをせざるを得ない状況にまで追い込まれています。
最終的にその価格のしわ寄せはエンドユーザーである購入予定者にマンション価格の値上がりという形でかかってくるのです。
この価格の上昇はバブル期のような不安定な上がり方ではなく、マンションの建築原価の上昇による至極自然な値上がりなのです。
そしてこの全体的なインフレ(物価の上昇)はマンションの建築材料費だけに言えることではなく食料品から生活用品まですべてのモノに影響を与えています。
2024年の年末以降の新築マンション価格の未来予測
これから先々、2024年の年末以降に発売されるマンションについてはどうなっていくのでしょうか?
2024年9月現在販売されている新築マンションと同クオリティの物件で比較すれば間違いなく値上がります。
なぜならそれは、先の章でも説明した通り建築費の原価が高騰しているからです。
同等の設備、広さ、場所などで販売されるものに関しては資材高騰のグラフを見てわかる通り向こう2年間は上がり続けることが容易に予測できます。
しかし、その先はどうでしょうか?
果たして物価は下がり(デフレ)、価格も落ち着くのでしょか?
私の予測は『おそらく上がり続ける』です。
参考資料としてまずはCPI(消費者物価指数)を見てみましょう。
出典元:IMF – World Economic Outlook Databases
2020年度を基準の100.0とした時、2029年度まで物価が上がり続ける予測となっています。
つまりこれは2020年と比べて2024年現在は8%物価が高くなっていて、2029年には物価が2020年の時より19.3%も高くなるという事なのです。
物価が上がり続けているのに不動産だけは価格がそのままというのは非現実的な考え方でしょう。
次に日本のインフレ率を見てみましょう。
出典元:IMF – World Economic Outlook Databases
日本のインフレ率の上昇の要因は様々ありますが、きっかけは2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻を開始したウクライナ戦争と言えます。
これを契機に世界的に原油価格の高騰や食料品など様々な商品の価格が上がりインフレを加速させました。
日本はこれに円安の要因も加わり物価の上昇を導いたと言えます。
そしてこのインフレの波はおそらく収まらないと私は考えています。
日本は元々インフレ率2%を推進していましたが中々うまく進んでいませんでした、しかし世界的なインフレに日本も巻き込まれたこのタイミングで一気に進めようと考えるのは自然な事です。
一度進んだインフレは諸外国の事例を見ても収まるということは現実的に考えづらいのです。
そしてこの値上がりの波は当然不動産にも影響していきます。
以上の事から私はこれから先の新築マンションの価格は上がり続けると予測するのです。
まとめ
- 2024年の年末から発売される新築マンションの価格は1割ましになる
- 価格上昇の原因は建築資材の高騰に起因した値上げ
- インフレにより2026年以降も新築マンションの価格は上がり続けると予測できる
日本はデフレ時代が長く今回のような急激なインフレ(物価上昇)に戸惑う方が多くいるかと思います。
私自身もその一人です。
しかし、この記事でご紹介した通りこれから先もインフレは加速し続ける事が予想されます。つまりこのインフレにいち早く対応する事こそが重要なのではないかと私は考えています。
生活に直結する物価上昇に関しては各業種・各企業の努力でどこまで価格の高騰を抑制できるのかはわかりませんが、今後発売される新築マンションについては値上がりはほぼ間違いないと言っても差支えはないでしょう。
マンションの購入予定の方は安い物件が出てくるのを待つのではなく、早めに購入に向けて動くことが費用負担を抑えられる可能性がある道なのではないでしょうか。