「不動産の価格って不動産会社が決めているんでしょ?」あなたはそう思っていませんか?
いいえ、違います。実は本質的には金融機関が収益不動産の価格を決めているんです。
収益不動産を作っている会社はまず建築前に計画を金融機関に提出し融資を受けます。
収益不動産に対して家賃や設備、エリアなどを加味して金融機関は融資額を決定します、その際に販売価格も金融機関よりこの金額であればOKですよ、という金額も指摘を受けて会社は収益不動産を建築し始めるのです。
では、金融機関はどのように収益不動産の価格を算出しているのでしょか?価格の算出方法は様々ありますが、基本的には『収益還元法』で価格の算出をしています。
収益還元法とは不動産の価格を査定する上で基準となる算出方法の一つです。
今回こちらの記事では、収益還元法について分かりやすく解説してきます。
収益還元法
不動産鑑定評価において、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される収益をベースとして対象不動産の価格を求める手法のこと。
この文言だけ読んでも何かよくわからないですよね。
不動産は性質上同じものが存在しない商品になります、なので定価が存在しません。ですので不動産の価格を査定する時に不動産の収益性を基準とする算出方法です。
算出方法
収益還元法の算出方法は2種類あります。
- 直接還元法
- DCF法
直接還元法
不動産鑑定評価などに当たって用いられる不動産の収益価格を求める手法の一つをいい、不動産から得ることのできる一定期間(通常1年間)の純利益(収入から経費を減じた額)を一定の還元利回りで除して算出する手法です。
こちらの方法が最も一般的な算出方法で多くの事業者と金融機関が用いている算出方法になります。
DCF法
DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法は直接還元法で想定されていない家賃の下落率や空室リスクを織り込んだ算出方法になります。
かなり細かく分析した情報を元に計算を行うので精度の高い評価が可能です。長期保有する収益用不動産を評価する場合や、現時点での長期空室など大きなリスク要因があると判明している収益用不動産の評価を行う場合に用いられることが多い手法で不動産投資信託などを算出する時に用いられます。
収益還元法で不動産の価値を上げる為には?
収益還元法で不動産の価格を高くする要因としては以下の物が上げられます。
- 高い家賃
- 高い入居率
- 修繕の必要のない物件
高い家賃
ただ家賃を高くすればいいという事ではありません。
家賃相場というものがあり周辺とあまりに乖離のある家賃は現実的とは言えません。
周辺の家賃相場を参考に適正価格で賃料を設定する事が重要です。
家賃相場の参考は下記サイトを参照してみてください。
高い入居率
入居率を上げる為には首都圏の物件を所有する事が重要です。
特に東京23区内は条例によりマンションの供給規制されており1人暮らし向けの入居率の高い物件が需要過多の状態になっています。
首都圏は日本で唯一人口が増加傾向にある場所で単身者向けのマンションの供給規制も相まって高い入居率を維持し続けています、その為首都圏で単身者向けの物件であれば高い入居率を維持しやすいと言えるでしょう。
修繕の必要のない物件
物件自体に何か修繕の必要がある場合不動産の評価価格は当然下がります。
新築の場合は特に考える必要はありませんが、中古の物件の評価を算出する場合修繕費がいくらかかるのかを加味する必要があるでしょう。
さいごに
収益還元法で不動産の価格を算出する場合の多くが直接還元法で計算されています。
金融機関からの物件評価もこの計算方式で算出されているので自身で所有されている不動産の価格を算出する時に活用してみてはいかがでしょうか。